2018年8月27日から29日の3日間、岩手県紫波町が主催するイベント「SHIWA SAKE CAMP」が開催されました。
今年3月につづき2回目の開催となる今回も、岩手をはじめ北海道や東京、京都など、全国から14名の学生が紫波に集まりました。

 


3日間で2つのテーマに挑戦!


「SHIWA SAKE CAMP」では、学生たちが紫波と酒の魅力を知り、酒を切り口に紫波を盛り上げるアイデアを考えます。

1日目と2日目前半で紫波町内のフィールドワークを行い、2日目後半からアイデアづくり、最終日である3日目にアイデア発表会をします。

 

今回のテーマは、以下の2つ。

1. 若者が関わりたくなる、紫波町らしい「酒×アウトドアプラン」を提案せよ!
2. 若者が関わりたくなる、紫波町らしい「SAKEツーリズム」を提案せよ!

学生たちは3つのチームに分かれ、各チームでこれらのテーマのうち1つに取り組みます。

 


1日目スタート!自己紹介とチームゲーム


これから始まるプログラムに向けて、最初に自己紹介とチームゲームを行いました。

「お酒が好き!」「オガールに来てみたかった」「お酒や紫波のことは詳しくないけど、地方創生に関心があった」など参加理由はさまざま。
岩手出身で紫波町を訪れたことがある参加者もいれば、紫波町のことを全く知らなかったという参加者もいました。

 

チームゲームでは、スパゲッティとマシュマロ、マスキングテープを使って自立するタワーを作る「マシュマロチャレンジ」に挑戦!
一番高いタワーを作り、マシュマロを乗せることができたチームが優勝です。

 

優勝チームの記録は、約50cm!

マシュマロチャレンジでは、チームで作戦会議や役割分担をしたり、全員で協力して取り組まなければ高いタワーは作れません。

チームで取り組む上で大切なことを、マシュマロチャレンジを通して体感しました。

 


紫波町について知るレクチャー


SAKE CAMPがきっかけで初めて紫波を訪れたという学生も多いため、まずは紫波町の概要や取り組みについてレクチャーをしてもらいます。

 

紫波町役場・須川翔太さん

須川さんからは、紫波町の地理や人口などの概要、酒に関する取り組みについて紹介してもらいました。

「アルコール飲料というだけではない、お酒の魅力を知って欲しい」「地方では全てのことが自分ごと。自分だったらどうするか?を追求してもらいたい」といった、SAKE CAMPに掛ける想いも知ることができました。

 

紫波町地域おこし協力隊 インターン生・美濃部理生さん(左)、手嶋穂さん(右)

続いて、紫波町地域おこし協力隊のもとでインターンシップをしている2人から、町役場と民間が連携して立ち上がった取り組み「あづまねイイ山イイ湯だなプロジェクト」やそれぞれが考えているアウトドアプランについて紹介してもらいました。

 


あづまねエリアを自転車でフィールドワーク


レクチャーを受けた後は、さっそくフィールドワークに出掛けます。

最初に向かったのは、町のシンボルである東根山周辺のエリア。
東根山周辺を自転車に乗ってフィールドワークします。

 

紫波町の日本酒造りに使われている水が湧き出る「水分神社」や、広々とした芝生が気持ち良い「ビューガーデン」、ブルーベリーやラフランスが栽培されている「紫波農園」という3つのスポットを巡りました。

 

水分神社

 

ビューガーデン

 

紫波農園

 


酒蔵フィールドワーク


次は、紫波町に全部で4つある酒蔵のうち、「廣田酒造店」「高橋酒造店」という2つの酒蔵へお邪魔しました。

 

廣田酒造店

酒造りの現場を蔵元である廣田英俊さんに案内してもらいながら、日本酒の製造工程を学びます。

日本酒の試飲もさせてもらいました!
未成年の参加者は、米と麹から造られた甘酒を試飲。

 

高橋酒造店

高橋酒造店では自社田を保有しており、自家米での酒造りも行っています。

酒蔵と自社田を蔵元である高橋久さんと杜氏である高橋誠さんに案内してもらいました。

 


農園で食材ゲット!紫波の食材と酒でBBQ


1日目最後のフィールドワーク先は、高橋農園。
じゃがいもを中心とした農産物のほか、お餅や弁当、惣菜などの加工品製造にも取り組んでいます。

 

高橋農園

1日目の夕食はBBQ!!ということで、高橋農園の高橋和久さんに案内してもらった後に収穫体験を行い、BBQの食材をゲット。
じゃがいもやなす、ピーマン、トマトなど、とても美味しい野菜の数々を提供してもらいました。

 

BBQでは日本酒やワインの差し入れもいただき、紫波のお酒と食を存分に堪能!

フィールドワーク先でお世話になった廣田さん、高橋誠さん、高橋和久さん、そして紫波町地域おこし協力隊の隊員や、町内でインターンシップをしている学生たちも参加してくれました。

 


2日目スタート!ぶどう農園とワイナリーフィールドワーク


2日目は、ぶどう農園とワイナリーのフィールドワークからスタート。

 

松原農園

ぶどうの育て方や特性から、農業や町に対する想いまで、さまざまなことをお話してもらいました。

また、松原農園では、ぶどう園を地元の方々の集会に利用してもらったり、ブランコやハンモックを設置して子どもたちが遊べる場所にするなど、ぶどうを育てるだけではない畑の使い方にも挑戦しており、農業を活かした地域での取り組みについても知ることができました。

 

紫波フルーツパーク

次に、ワイナリーを運営する紫波フルーツパークへ。

醸造用ぶどうを育てている畑や工場の見学をさせてもらいました。

紫波フルーツパーク造られるワインは、町内の契約農家と自社農園で育てたぶどうを原料としているため、100%町内産です!

 

工場隣にある直営店で、紫波町産ワインの試飲。
美味しいワインに試飲の手が止まらないようでした!

 


町の中心・日詰商店街へ


フィールドワークの最後は、紫波町の中心にある日詰商店街。

商店街がある日詰地区では、空き家や空き店舗などの遊休不動産を活用した「リノベーションまちづくり」が進められており、商店街にもリノベーションされて生まれ変わった店舗が数件あります。

今回は、「ミルクホール・マイカ」と「はちすずめ菓子店」「藤屋食堂」の3つの店舗を訪れました。

 

ミルクホール・マイカ

もともと青果店だった店舗を改装したカフェ。

ケニア紅茶や酒とソフトクリームを合わせたオリジナルデザートなど、メニューも豊富!

 

はちすずめ菓子店

もともと美容室だった店舗を改装した、アップルパイとキッシュの専門店。

卵、乳製品、白砂糖を使わない「ヴィーガニズム」がコンセプト。
ヴィーガンでつくるアップルパイのお店は、なんと世界初だそう!

 

藤屋食堂

そして昼食は、藤屋食堂へ。

藤屋食堂では、紫波の酒蔵でインターンシップをしている学生とともに酒粕メニューの開発やイベント企画など、酒蔵と連携した取り組みも行っています!

 

また、紫波町では、インターンシップをした学生がインターン終了後も、自分の活動や研究を行うために再び町に戻ってくるといった動きも出てきています。

今回は、現在紫波の酒に関する研究を行っている小野詩織さんから、自身の取り組みについてお話してもらいました。

 


いよいよ佳境へ!アイデア発想


1日目から2日目前半に掛けて行ったフィールドワークを振り返り、アイデア発想!

 

フィールドワークで得た情報や、地域で実践されているおもしろいプロジェクト、メインターゲットである若者が好むものなど、さまざまな視点からアイデアを考えていきます。

模造紙がどんどんアイデアで埋まっていきます!

 

 

考えたアイデアは、いつ・どこで・何をやるのか、独自性やおもしろいポイントは何かといった具体的な企画に落とし込んでいきます。

 


3日目 アイデア発表会!


若者が関わりたくなる、紫波町らしい「酒×アウトドアプラン」「SAKEツーリズム」のアイデア創出に取り組んだ3日間。

最終日は、その成果を発表します!

 

酔わないんてぃーんツアー:チームとまとうま

紫波町出身の19歳をターゲットに、紫波と酒に愛着を持ってもらうことを目標とした企画。

成人を迎える1年前に、紫波の酒の魅力を体感できるツアーを実施します。
ツアーでは、酒粕を使った料理づくりや、ぶどうの収穫、ワインボトルのオリジナルラベル作りなどを行い、1年後成人を迎えたときにツアーで仕込んだワインを開けてみんなで乾杯!

 

酔っ呼ら酒まつり(よっこらしょまつり):チームパスタ

このチームは、「紫波の土地を目一杯使う」「酒の原料や製造工程にも目を向けてもらう」という2つを目標とした企画を考えました。

酔っ呼ら酒まつりでは、廃棄されてしまう酒粕と落ちてしまったぶどうを使用。
それぞれ水で薄めたものを竹の水鉄砲を使い、チーム対抗で掛け合います!

飲むだけでなく、「肌から紫波の酒に酔う」非日常体験ができるお祭りとなっています。

 

冬が待ち遠しいのは紫波のしわざ!:チームバターもち

冬は日本人観光客が減ってしまうという紫波町の課題と、雪を見るために東北を訪れる外国人観光客が多いということに着目した企画。

冬でも登ることができるあづまね山で、かんじきウォークやソリなどの冬のアクティビティを楽しみます。

そして、アクティビティだけでなく充実した食も提供。
アクティビティの途中にホットワインや熱燗、甘酒、酒粕鍋を味わったり、日本一の生産量を誇る紫波町のもち米を使ったもち料理も堪能します!

 


3日間の振り返り


最後は、3日間をともに過ごした仲間と振り返り。
3日間の感想や気づきをシェアしました。

 

「酒=アルコール飲料というイメージだったが、酒は地域の大切な産業だということが分かった」「紫波ってこんなにおもしろい町なのか!と気づいた」「チームでの取り組み方やアイデアの発想法など、自分の今後の学びに活かしたいと思った」といった感想を聞くことができました。

 

3日間のプログラムを通して、どの学生も自分なりの視点で紫波や酒の魅力を見つけ、アイデアの創出に取り組むことができたようです。

今回のSAKE CAMPをきっかけに、考えたアイデアを実践したり、また紫波に訪れるといった関係性が今後も続くことに期待したいと思います!

 

3日間、本当にありがとうございました!

 

 

ご好評につき、2019年春も SHIWA SAKE CAMP を開催します!!

2019年3月1日〜3日の2泊3日で開催します!

募集締め切りは、2019年2月1日まで。です
定員に達し次第募集終了となりますので、お申し込みはお早めに!

詳細は、SHIWA SAKE CAMPのHPをご覧ください!

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